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法華宗(本門流)

仏教のすべての功徳が修められている「南無妙法蓮華経」を
いまに伝える唯一の宗派。それが法華宗です。

宗章紋

◆法華宗とは
法華宗は法華経に基づいて信心をすすめ、この世の中に真の幸福な世界を築くことを目的としています。
はるか遠い昔からの釈尊のご信仰を受け継いだ、宗祖日蓮大聖人の教えを、そのまま今に伝える唯一の宗派です。
日本の歴史上では、建長5年(1253)4月28日に、日蓮大聖人がはじめて「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」と唱えられたときに始まります。
日蓮大聖人が唱えられた「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」というお題目を聞き、信じ、口唱し、多くの人々の心に、仏になるための種子(しゅじ)を植えていくことを信心の生活の根本としています。

◆法華宗の教え
紀元前564年インドにお生まれになった釈尊は、宇宙の真理を悟って仏になられてから実に多くのお経を説かれました。そして最後に説かれた法華経が真実のお経であると仰せになり、80才で入滅されました。
その法華経は二十八品(章)からなり、前半十四品を迹門、後半十四品を本門と言います。本門とはインド入滅の釈尊の本体として、久遠という遥かに遠い昔仏になられた久遠本仏釈尊を顕した部分を言います。
法華宗は本門の中でも、従地涌出品第十五から嘱累品第二十二の八品を本地本門(本門八品)と言い、大変重要だと考えています。それはインドの釈尊が入滅された後の末法(仏法が廃れる)という時代の、我々の成仏について説かれているからです。教義的には上行付嘱といいますが、本仏釈尊が久遠の昔、宇宙の真理をお悟りになって、あらゆる功徳を南無妙法蓮華経に収め衆生の心田に仏種として植えられました(久遠下種)。
その時から本仏の教化を受けて退転無くお題目の修行を続けている菩薩(本化の菩薩)が、法華経本門八品説法の会座に呼び出され、我々の住む娑婆世界の教主として初めて真実の姿を顕した本仏から、仏のいない滅後末法にお題目という仏の種を伝えるよう付嘱されました。本化の菩薩の代表として上行菩薩がそのお題目をお受け取りになり、末法に入って鎌倉時代に上行菩薩の人界応生として日蓮大聖人がお生まれになり、法華経の実践者として一身を呈してお題目を弘通されました。従って、日蓮大聖人がお伝えされたこのお題目を、本門八品上行所伝の南無妙法蓮華経と言います。
このお題目の特徴は、南無妙法蓮華経は宇宙の真理を顕したものではなく、本仏の慈悲(末法の衆生を必ず成仏させる)と本化の菩薩の誓願(本仏の行化をたすける)宇宙一切の功徳が収められた実体そのものを教えとして説かれたものです。その修行は本仏と同じ修行(本因下種)でお題目を信じて唱え、唱えて他に聞かす信行下種です。お題目の信行下種に自ずから成仏が約束される宗旨なのです。

◆法華宗の概要と教義・伝統
法華宗の伝統は、本佛釈尊が上行菩薩に付嘱し、人界応現の上行菩薩たる宗祖日蓮大聖人が本門八品上行所伝の要法を六老僧である日朗(にちろう)聖人をはじめとして中老僧と呼ばれる光長寺を開かれた日春(にっしゅん)・日法(にっぽう)両聖人、鷲山寺 日弁(にちべん)聖人に伝授され、中でも日朗門下の日像上人は、日蓮大聖人の御遺嘱であった京都開教で妙顕寺を創立、その後室町時代に入って大覚(だいがく)大僧正、朗源(ろうげん)和尚、日霽(にっせい)聖人と法脈は受け継がれました。

ところが日蓮大聖人の正しい教えは、御入滅後次第に歪められ、本迹一致の邪義が横行し、分脈がおこっていきました。この時に日霽門下に日存(にちぞん)・日道(にちどう)両聖人の教えを受けた日隆聖人が出られ、永享元年(1429)「四帖抄」を著されて、本門八品の正意を鮮明にされました。また日隆聖人は本能寺・本興寺を建立して法華宗を再興され、法華宗の再興唱導師に崇められています。
時を同じくして、光長寺に日朝(にっちょう)聖人が出られ、日隆聖人と八品正意を確認され一味法水の契りを結ばれました。法華宗はその後次第に教線を伸ばしていきました。しかし、天文法乱や安土宗論で門下も大きな痛手を受けましたが、本能寺 日承、本興寺 日諦上人等の活躍で復興発展し、江戸時代には鷲山寺とも一体不離の関係を深めています。
明治になり江戸・浪速をはじめ各地に八品講が起こり、在家信仰も活発になってさらに教線が伸張されました。昭和に入って戦時下の曼荼羅不敬事件を乗り越えて、宗是を格遵して日蓮大聖人以来の本門八品の正統を受け継いでいます。

 

基本情報

名称 法華宗(本門流)
祖山 光長寺(静岡県沼津市岡宮)、鷲山寺(千葉県茂原市鷲巣)、本能寺(京都府京都市中京区)、本興寺(兵庫県尼崎市開明町)
事務所 法華宗宗務院
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2丁目19-1 電話:03-5614-3055
管長 第141代管長 佐藤日賢
宗務総長 金井孝顕
寺院数 500ヶ寺
僧侶数 890名
伝統 法華宗の伝統は、本佛釈尊が上行菩薩に付嘱し、上行菩薩の人界応生たる宗祖日蓮大聖人が本門八品上行所伝の要法を日朗、日春、日法、日弁、日像、に伝授し、日春、日法は光長寺に、日弁は鷲山寺にこれを伝え、日像は宗祖及び日朗の命によって華洛に弘通し、日像より大覺、朗源、日霽、日存、日道、日隆と嫡々相承し、本果院日朝また同義を唱え、殊に日隆は本能寺、本興寺を建立し、本門八品の正義を確立して再興唱導師と崇められ、爾来法燈連綿として今日に至る。
本尊 宗祖日蓮大聖人奠定の久遠常住輪円具足の南無妙法蓮華経。
目的 法華宗は、宗祖日蓮大聖人立教開宗の本義に基き、本門八品上行所伝本因下種の要法を口唱信行し、自他の謗法を厳戒し、異体同心して菩薩行の実践を通し娑婆即寂光の実現を期することを目的とする。
公式サイト http://www.hokkeshu.or.jp/